学資保険は保険料をまとめて払うとお得?簡単シミュレーションで解説!

学資保険は、契約者である親に万が一のことがあったとき、その後の保険料を払わずとも一定の学資金を受け取れるという特徴があります。子どもの教育費をしっかりと、確実に貯めておきたい場合におすすめの商品です。

そんな学資保険の保険料を安く抑えたいと思ったとき、分割で支払うよりもまとめて支払ったほうがお得になると考える人もいるでしょう。

しかしまとめて支払う場合にはメリットもデメリットもあるため、どのくらいお得になるのか、そもそも分割に比べて具体的なメリットが何かをしっかりと考えて払い方を決める必要があります。

今回はそんな学資保険の支払方法に焦点を当て、月払いと比較した場合のシミュレーションを用いながら検証していきます。

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1.学資保険を1回で支払う方法とは?

通常、保険料の払い方といえば決まった期間ごとに保険料を納める月払い、半年払い、年払いが一般的です。

それに対し、学資保険のようにあらかじめ納める金額が決まっている場合は、まとまったお金を1度に支払い、保障を継続していくという選択をすることもできます。

保険金をまとめて1回で支払う方法には、「一時払い」と「全期前納払い・一括払い」の2種類の支払方法が存在します。

同じ1回の支払いでもメリットやデメリットが異なるため、注意して見ていきましょう。

1-1.一時払い

契約時に全ての保険料を1回でまとめて支払う方法です。他の支払い方法に比べて、一番保険料が安く、返戻率が高くなる特徴があります。

1-2.全期前納払い・一括払い

契約時に全ての保険料を保険会社に「預けて」、その預けたお金から自動的に毎回の保険料を支払う方法です。私たちが保険料を納めるタイミングは1回ですが、支払いは毎回行っていることになります。

そのため、分割払いに近いメリットも享受することが可能です。

この方法は保険会社によって、「全期前納払い」や「一括払い」と呼ばれています。

なお「一括払い」の定義は、月払いの保険料をまとめて納める方法のことですので、数カ月分の支払をする場合も「一括払い」と言われます。

しかし契約時に全ての保険料を納めることを「一括払い」と表現している保険会社がありますので、この記事では契約時に保険料全額を預けることを「一括払い」と書くことにします。

2.保険料を1回で支払うメリット

では保険料を1回で支払うメリットはどんなものがあるでしょうか。大きく2つあります。

2-1.保険料の総額がやや安くなる

たとえば2022年1月現在、明治安田生命で学資保険に加入した場合の試算結果は以下の通りになります。

  • 契約者 30歳女性
  • 子ども 0歳
  • 月々の保険料 15,949円(15歳払い込み満了)/一括払い 2,747,023円
  • 受け取り総額 300万円

単純に月々の保険料×12ヶ月×15年で考えた場合、月払いと一括払いではおよそ12万円の差額が出ます。

細かい要件などは契約する商品によって異なるため、必ずしもこの差額となるわけではありません。

ですが程度の差はあるとはいえ、月払いよりも一括払いのほうがやや保険料を抑えられるといえるでしょう。

2-2.返戻率が上がる

受け取れる保険金が同じなら、支払う保険料が安いほど返戻率が高くなります。

1回で保険料を払い込み終えると保険料が安くなるため、必然的に返戻率が高くなります 。

また保険会社としても、一度に多額の保険料を預かることで運用できる金額が大きくなり、月払いで細かく納めていくよりも返戻率のアップが期待できます。

3.保険料を1回で支払うデメリット

保険料を1回で支払うのは、メリットがあれば当然デメリットも存在します。

安易に保険料を1回で支払うと、思わぬ落とし穴にはまることがあるため、必ずデメリットも一緒にチェックしておくようにしましょう。

3-1.多額の出費となる

保険料の支払を1回にする場合、一度に数百万円の金額を用意しなければいけません。そしてそのお金は長い期間にわたり拘束されてしまいます。

他にお金が必要になっても安易に返還請求や解約ができないため、生活への影響が出ないかなど、しっかり検討することが重要です。

3-2.生命保険料控除が1度しか受けられない(一時払いの場合)

一時払いの場合、生命保険料の控除が1度しか受けられないというデメリットがあります。

一時払いでは支払った年のみ控除が適用され、翌年からは控除が受けられません。

学資保険では一般生命保険の控除枠が所得税で最高40,000円、住民税で最高28,000円まで利用できます。

もし別の生命保険で控除枠を使い切っているのであれば、特に気にするポイントではありませんが、そうでない場合は税制面では若干損をしてしまう可能性があるでしょう。

なお、全期前納払い・一括払いの場合は毎年控除を受けることができます。

3-3.保険料払込免除特約が適用できない(一時払いの場合)

一時払いのもう一つのデメリットは、保険料払込免除特約を付加できないという点です。

学資保険の大きな魅力といえる払込免除特約は最初で述べたように、契約者である親に万が一のことがあったとき、その後の保険料を払わずとも一定の給付が受けられるという性質を持っています。

しかし一時払いに関してはすでに保険料の払い込みを終えているため、払い込み免除を適用する未納保険料がありません。

全期前納払い・一括払いの場合は保険料を預けている状態のため、まだ支払いに充てられていない部分については保険料が返還され、特約が適用されます。

3-4.短期間で解約すると大きな損失額になる可能性がある(一時払いの場合)

基本的に途中解約をすると元本割れを起こすのが、貯蓄性保険の特徴ともいえます。

途中解約で元本割れするのはどの支払方法でも同じですが、あらかじめまとまった金額を納めている一時払いは、短期解約で損する金額が大きくなる可能性があります。

全期前納・一括払いで保険料を預けた場合、解約時に未払い分の保険料は返還されます。すでに支払いに使われた保険料の返金額は契約期間によって異なり、返金額が支払額より少ないケースもあります。

突然予期せぬ大きな出費が必要になって解約してしまうと、損をする可能性があるため注意が必要です。

4.学資保険の返戻率シミュレーション

ここでは実際に学資保険の返戻率をシミュレーションしてみます。

条件をなるべく同じにした場合、保険会社ごとに、払い込み方法の違いで返戻率がどの程度なのかをチェックしてみましょう。

契約者:30歳男性、子ども:0歳男性で、返戻率の一例をまとめました。

保険会社返戻率
ソニー生命
・受け取り総額:300万円
・22歳満期
Ⅲ型の場合(払込期間10歳まで)
月払い:返戻率105.5%
年払い:返戻率106.3%
Ⅱ型の場合(払込期間10歳まで)
月払い:返戻率105.0%
年払い:返戻率105.8%
※全期前納も可
明治安田生命
つみたて学資
・受け取り総額:300万円
・21歳満期
・一括払い(前納):返戻率109.0%
・月払い(払込期間10歳まで):返戻率105.7%
フコク生命
みらいのつばさ
・受け取り総額:300万円
・21歳・22歳満期
・ステップ型(払込期間11歳まで)
月払い:返戻率104.7%
・ジャンプ型(払込期間11歳まで) 
月払い:返戻率105.5%
※全期前納も可
日本生命
ニッセイ学資保険
・受け取り総額:300万円
・22歳満期
祝金なし型
・月払い(払込期間10歳まで):返戻率107.2%
・年払い(払込期間10歳まで):返戻率107.6%
※全期前納も可
JA共済
こども共済
・受け取り総額:300万円
・22歳満期
大学プラン
・月払い(払込期間11歳まで):返戻率101.1%
・年払い(払込期間11歳まで):返戻率105.5%
※全期前納も可

各保険会社のHPでは全期前納・一括払いのシミュレーションができないところもありますが、契約時にはこれらを選択することが可能です。問い合わせや面談などでご相談してみて下さい。

ここからは上記で比べた各保険会社の学資保険の特徴をもう少し詳しく見ていきます。

4-1.ソニー生命

ソニー生命

ソニー生命の学資保険「スクエア」は、貯蓄性を重視しており、
返戻率は約100%~106%で推移しています。

HPではシミュレーションはできませんが、全期前納払いにも対応していて、プランによってはさらに高い返戻率も実現可能です。

保険料支払い期間は10歳、15歳、17歳、18歳、22歳など選択肢が豊富です。

希望に応じてⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3つのプランから選べます。

各プランの違いはお金の受け取り時期です。

Ⅰ型:大学入学時のほか、中学と高校進学時にお金が受け取れます。

Ⅱ型:大学入学時に一括でお金を受け取ります。

Ⅲ型:大学入学時と、入学後に分割でお金を受け取れます。

最も返戻率が高くなるのは、Ⅲ型です。

紙の資料請求は受け付けておらず、ライフプランナーとの面談(オンライン可)が必須ですので気になる方は、まず面談してみてくださいね。

ソニーの学資保険を徹底解剖!人気の理由と加入時のチェックポイントを保険営業マンが教えます

4-2.明治安田生命

明治安田生命

明治安田生命の「つみたて学資」の返戻率は105%前後(保険料の支払期間10歳のケース)となっていますが、一括払いの場合109%も実現可能です。

保険料の支払い期間は10歳、15歳、一括払いから選択することができます。

保険金は4回に分けて受け取ることができ、大学入学時と入学後にお祝い金、保険期間満了時に満期保険金が支払われます。

基準保険金額70万円以上(受取総額280万円以上)で「高額割引」があるのも特徴です。

割引により保険料が抑えられた結果、返戻率がアップしています。

4-3.フコク生命

フコク生命

フコク生命の「みらいのつばさ」の返戻率は104%~105%くらい(保険料の支払期間11歳のケース)です。HPでは一括払いのシミュレーションはできませんが、全期前納払いにも対応しています。

プランは2つあり、どちらも満期は22歳です。

ステップ型は、小中高の入学時と大学入学時、20歳と満期時にお金を受け取ります。

ジャンプ型は、大学入学時と満期時にお金を受け取ります。

まとめてお金を受け取るジャンプ型の方が返戻率は高くなります。

保険料支払い期間は、11歳、14歳、17歳から選べます。

返戻率の面では、保険料支払い期間は11歳とするのが有利になります。

また兄弟割引があり、すでにフコク生命の学資保険に加入している子どもがいる場合、2人目以降の子どもは一定条件を満たせば保険料が割安になります。

4-4.日本生命

日本生命

ニッセイ学資保険の返戻率は102%~104%くらいですが、短期払いをすると約109%もプランによっては実現可能です。

なお、プランは祝金あり型と祝金なし型の2つです。

祝金あり型では、小中高の入学時のお祝い金と大学入学時~満期まで分割でお金を受け取ることになります。(子どもが2歳までしか加入できないので、注意が必要です。)

祝金なし型では、大学入学時~満期まで分割でお金を受け取ります。

祝金なし型のほうが、まとめて受け取る分返戻率は高くなります。

保険料の支払い期間は5年、10年、全期払いから選べます。

返戻率を高くするためには、保険料を5年で支払うのがおすすめです。

4-5.JA共済

JA共済

返戻率は大学プランの年払いで102%~105%と他に比べるとあまり高くはありませんが、着実に学費に備えられます。また月払いと年払いでは、返戻率の差が4%近く出るため、年払いがおすすめです。

JA共済のこども共済「学資応援隊」の特徴は、子どもの加入年齢が幅広くシンプルに学費に備えられる点です。

一般的に、学資保険は子どもが6歳までの加入が条件となっていることが多いですが、この商品では子どもが12歳まで加入することができます。

満期は14歳、15歳、17歳、18歳、22歳から設定でき、満期によってお金の受け取り開始時期が変わります。

保険料の支払い期間等を含め、担当者との相談で柔軟にプラン設計できます。

ひとつ他の学資保険とは違う点があり、JA共済は保険会社ではないので、万一破綻したときの保障がありません。

JAの大元での対応策は講じてありますが、一般的な生命保険会社のように「生命保険契約者保護機構」の対象にならない点は注意が必要です。

5.学資保険のほかの支払い方法は?

学資保険には、先述しているようにさまざまな支払方法が存在します。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、特徴を掴んで選択できるようにしておきましょう。

まず1つめは、月払いです。

保険料の支払い方としては最もオーソドックスであり、月々に分割して払うため、家計にかかる負担が分散されるというメリットがあります。

ただし保険料の支払い漏れが起きやすい、ほかの方法に比べて保険料が割高になるというデメリットもあるので注意しましょう。

次に半年払いと年払いです。

半年払いの場合、半年に1度まとめて保険料を支払います。

ボーナスの時期とかぶせられるため、余力があるときに払い込んでしまえるという魅力があります。

また年払いに関しても支払が1年に1度だけでよく、月払いよりも保険料が安いところもポイントです。

ただし1度にまとめて大きな金額を支払う点、まとまった金額を用意できなかったときに月払いに変更しにくい点など、毎年ある程度まとまった支払の目安が立たない人にはおすすめできないと言えます。

最後に1回で支払う方法です。

1回で支払う方法にはこれまでお伝えしました通り、全期前納払い・一括払いと一時払いがあります。学資保険では全期前納払い・一括払いを取り扱う保険会社が多くなっています。

なお、受け取る保険金に対する保険料の安さや返戻率の高さなどの視点で比較すると

月払い < 半年払い < 年払い < 全期前納払い < 一時払い 

となります。

保険選びは専門家の意見を聞く

学資保険の一括払いや支払い方法についてはこの記事は説明しきれないことがまだまだたくさんあります。

何よりも大切なことは保険の見直しや保険を選ぶ場合には、専門家の意見を聞くということです。

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まとめ

今回は学資保険の保険料の支払方法に焦点を当てました。

保険料をまとめて支払うほどに保険料は安く、返戻率は高くなります。しかし負担も大きくなるため、バランスを考えながら支払い方法を考えていくことが大切です。

教育費という親にとっては最大の山場を乗り越えるためにも、メリットだけでなく、デメリットにも目を向けつつ、納得のいく払い方を検討してみてください。

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この記事を書いた人
山口りな
山口りな

FPサテライト株式会社所属ファイナンシャルプランナー

約6年半テレビ山梨でアナウンサーを勤め退職。退職をきっかけにお金に関わる制度を身近に感じたことでお金や経済の勉強はじめ、FP資格を取得。

フリーアナウンサーとして活動しながらFPとしても活動中。FPアナウンサーとしてお金にまつわる知識を届けている。