【2022年最新】学資保険の加入は必要か?子供の学資金をより良く準備しよう

新たな家族の誕生に喜びを感じ、日々の成長にわくわくしますよね。

その一方で避けて通れないのが将来かかる教育費、学費の問題。

将来の学費の準備に学資保険という金融商品がご自身にとって役に立つのか、他の手段の方が良いのか?

本記事では、学資保険が必要と考えられる人の特徴や実際に保険に加入する際の判断基準について解説しています。

また、実際にどれくらいの学費がかかるのかといったデータも紹介します。

大切な我が子のために将来への不安を払拭しましょう!

学資保険とは

学資保険は、生まれてから大学を卒業するまでのお子さんの教育費を準備するための貯蓄型の保険です。保険ですので、一般的には契約者(保険料を払う親など)に万が一のことがあった場合の保障もついています。

保険会社によっては「こども保険」と呼んでいるところもあります。

入学前などタイミングよく学費の為の資金が受取れるようなプランもあり、希望に合えば便利な使い方ができる商品です。

学資保険は必要かどうかのお話の前に、そもそも学資金(教育のための資金)は子供1人につきどれくらいかかるものなのか?をみていきましょう。

学費の必要額の求め方

文部科学省が令和元年に発表したデータ「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を見てみましょう。

幼稚園から大学卒業まで全て私立の学校へ通った場合、なんと2,300万円もの学資金がかかる事がわかります。

(参考)平成30年度における幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額

ケース1 : 幼稚園から高等学校まで全て公立に通った場合

ケース2 : 幼稚園のみ私立に通った場合

ケース3 : 幼稚園及び高等学校は私立に通った場合

ケース4 : 幼稚園から高等学校まで全て私立に通った場合

出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について

(参考)大学学部(昼間部)の1年間の学習費総額

国立: 637,700 円

公立: 666,700 円

私立:1,373,900 円

(注) 学費:授業料,その他の学校納付金,修学費,課外活動費,通学費の合計。

出典:独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査

上の図は、幼稚園から高校卒業までの学習費総額のシミュレーションです。

ケース4の「全て私立に通った場合」の1,830万円に、4年制私立大学の学費4年分の約550万円を足すと、2,300万円を軽く超します。

それぞれの進学プランがあると思いますので、教育機関ごとに公立・私立の学費を表にまとめておきます。

ぜひご活用ください。

公立 私立
幼稚園約65万円約158万円
小学校約193万円約960万円
中学校約146万円約422万円
高等学校(全日制)約137万円約290万円
大学学部(昼間部)約267万円約550万円

平成30年度子供の学習費調査の結果について」(文部科学省)及び「平成30年度学生生活調査」(独立行政法人日本学生支援機構)よりFPSにて制作

学費というと学校への授業料等で考えがちですが、文部科学省の統計では図書費、修学旅行費など学校生活に関わる費用の合計となっているので、より実態に近いデータとなっています。

MATE編集部
MATE編集部

さらに現実的に試算をしたい!という方は、国やお住まいの自治体に何らかの支援制度があるかを確認しましょう。

2014年4月入学から開始された高等学校等就学金支援制度により、公立高校の授業料実質無償化が行われました。また、2020年4月からはこの制度が拡大され、全国的に私立高校に通う生徒への支援額が増えました。親の所得制限はありますが、平均的な授業料と同額の支援になりますので、実質無料化と言われています。

自治体の支援例では、東京都で都内私立高校の平均授業料にあわせて支援額を増額したり、支援対象となる保護者の所得制限額を高く設定するなどしています。

学資保険の加入率は約50%

実際にどれくらいの人が学資保険に入っているの?と、気になりますよね。

ソニー生命が行なったアンケートの結果、約半数の人が教育資金の準備として、学資保険を利用しているということがわかりました。

(2021年3月 ソニー生命調査「子どもの教育資金に関する調査2021」より)

ちなみに、高校生以下の子供がいる親の教育費の準備方法ベスト5は下記となります。なお、こちらのアンケートは複数回答方式で行った結果ですので、割合を合計すると100%を越えます。

  1. 銀行預金 55.1%
  2. 学資保険 50.7%
  3. 財形貯蓄 10.2%
  4. 生命保険(学資保険以外) 7.9%
  5. 金融投資(株式投資や先物取引) 4.9%

学資保険に加入するメリット・デメリット

学資保険に加入するメリットとデメリットをまとめたいと思います。

学資保険に加入するメリットは、ある程度の利益率と貯蓄性がある点です。

保険会社の学資保険によって受取額、受取時期、返戻率は異なりますが、契約時に決定した学資金を決められたタイミングで受け取ることができます。

途中解約をしてしまうと元本割れの恐れもありますが、月々の保険料をしっかり納めていれば、子供の学資金が保障されます。

さらに、払込額より大きい学資金を受け取ることができればお得な気分ですよね。

ここが1番の魅力ポイントではないでしょうか。

一方、学資保険に加入するデメリットは、換金性が低く途中解約にはリスクが伴う可能性がある点です。

多くの学資保険は長期にわたって保険料を徴収します。契約者はその間ずっと保険料を支払い続けられるか事前に検討しなければなりません。

途中解約すれば、支払う保険料と同額を預貯金で貯蓄していた場合よりも少ない金額しか受け取れないこともあり、全体的には資産が減ることにもなります。

学資保険が必要かを判断する基準

学資保険は、将来必要な学資金を必要な時に出せるよう準備するための一つの手段です。他の手段の方が合う方や、学資保険と他の方法を合わせる方が合う方もいらっしゃいます。

では、学資保険が必要かどうか判断するにはどのような基準があるでしょうか?

まずは、先ほどの将来必要な学費の目安を参考に、教育費をご自身の預貯金だけで賄っていくことができそうかを考えます。預貯金で賄えるのであれば、学資保険に頼る必要はありません。

他の判断基準としては、家族のお子さんの人数があります。

学資保険は一定の金額を一定の期間積み立てますから、お子さん一人一人が加入していた場合、子供間で偏りなく教育費を充てることができます。

目標とする学資金をその学資保険で得ることができるかも重要な判断基準です。必要であれば、学資保険と他の金融商品の組み合わせも考えます。

また、学資保険は契約時に受け取れる学資金が決定されてしまうので、教育費が今後高騰するかどうかのトレンドも考慮する必要があるでしょう。

学資保険の加入を考えるとよい人の特徴3つ

より具体的に自分が入るべきかどうかを判断したい人の為に、必要と考えられる人の特徴をまとめました。

  1. 計画的な貯金が苦手な人
  2. 安全志向が強く、投資や運用が苦手な人(円建の学資保険に限る)
  3. 銀行預金よりも得をしたい人

あなたに当てはまるものはありますか?順番にみていきましょう。

学資保険の加入を考えるとよい人の特徴(1)「計画的な貯金が苦手な人」

学資保険はいわば、強制貯蓄のようなものです。

月払いであれば、月々決まった額の保険料が引き落としされます。あとは保険会社が保険料をもとに資金を積み立ててくれるので、学資保険に加入しただけで計画的な積立が可能です。

また、銀行預金はキャッシュカードをもってATMに行けばすぐにお金を下ろせますが、学資保険は違います。

学資金の受取りのタイミングは加入時に決めるものであり、それ以外では基本的に受け取れません。

途中で現金化したい場合は、解約する必要があるなど、ひと手間かかります。

貯金の苦手な人や、あればあるだけ使ってしまう人には向いている貯蓄手段と言えそうです。

学資保険の加入を考えるとよい人の特徴(2)「安全志向が強く、投資や運用が苦手な人」

教育費の準備に使われている上位2つが銀行預金と学資保険でした。また、元本が保証されていない金融投資を利用する人もいますが、先ほどの利用率をみると4.9%とかなり少数です。

これは安全志向の高さが伺える結果です。

昨今の低金利であっても「減らしたくはない」、「運用損を出したくない」という人が多いことがわかりますね。

学資保険はきちんと払込を行って満期を迎えれば、契約当初に約束された金額の受取が可能です。

もちろん満期前の、事前に設定されているタイミングでお祝い金などの学資金も受け取れます。

最近は外貨建の学資保険も登場してきましたが、円建の学資保険なら安全志向が強い人にもおすすめできます。(外貨建ての場合は、為替レートの変動などにより支払った保険料総額より受け取り額が少なくなる可能性があります。)

学資保険の加入を考えるとよい人の特徴(3)「銀行預金よりも得をしたい人」

学資保険は税制面で優遇を受けられるケースがあります。

払込中の保険料は所得税の生命保険料控除の対象になります。支払った保険料によって所得税額が少なくなる仕組みです。(既に控除枠一杯に使っている場合は学資保険に加入してもそれ以上控除はされませんのでご注意ください。)

預貯金には所得控除の仕組みはありませんので、無いと有るとでは大きな違いです。

また、利益が出た場合の税金にも違いがあります。預貯金は利息に20.315%課税されますが、学資保険の場合は一時所得扱いになり、50万円の基礎控除が適用されます。(他に一時所得があった場合は利益の合計が50万円を超えると課税対象です。)

一時所得が受け取った学資金だけであれば、満期金額から払込額を差し引いた金額が50万円以下(基礎控除)の場合は課税されません。

満期金と払込額の差額が50万円超となるには、満期金300万円の場合は返戻率が120%以上、満期金500万円の場合は返戻率が111%以上になる必要があるため、恐らくは多くの方が非課税の恩恵があります。

また、現在は低金利ですが、配当付きの学資保険なら金利上昇局面では配当が受取れる可能性もあるでしょう。

MATE編集部
MATE編集部

学資保険にはカード払いができる保険会社もあります。クレジットカードのポイントが付くという点も預貯金と比べてお得と言えます。

学資保険の加入以外の方法が向いている人の特徴4つ

次に、学資保険の加入が必要ないと判断するための特徴として、以下の4つをまとめました。

  1. 既に十分な貯蓄がある人
  2. 預貯金や学資保険の利回りよりも良い運用成果が欲しい人
  3. 月々の収入に余裕のない人
  4. お子さんがある程度成長されている人

前項の「加入を考えるとよい人」の特徴にあてはまった人も、ここでもう1度チェックしてみましょう。順番にみていきます。

学資保険以外の方法が向いている人の特徴(1) 「既に十分な貯蓄がある人」

十分な貯蓄が既にあり、学資金がまかなえる人は敢えて学資保険で積立てる必要はありません。貯蓄という方法で学資金の準備ができていると言えます。

ただし、十分な貯蓄はあるものの、月々の収入をさらに積立てて少しでも増やしたいという人にとって学資保険は一考の価値があります。

学資保険以外の方法が向いている人の特徴(2)「預貯金や学資保険よりも良い運用成果が欲しい人」

前述の通り預貯金では高い利回りが望めないため、保険料控除など税制面の優遇のある学資保険を採用する人がいます。

しかしながら、現在の学資保険も政府のマイナス金利政策の影響で決して大きな利回りではないのが現実です。

そこで、さらに大きく増やしたい!という人は多少のリスクを取る必要があります。

ただし、金融商品の運用に際して、あくまで学資金の準備が目的となるので、過度にリスクを取ってしまう投資活動は避けた方が良いかもしれません。

目標とする学資金額があるはずですから、その金額を得るための手段として投資や運用を行うことを前提に、学資保険以外の金融商品や投資先を検討しましょう。

具体的には、積立投信やジュニアNISA(積立投信)、外貨建の学資保険や外貨建保険を利用した学資プランというようなものもあります。

リスクをおさえるためには、元本が保証されている商品と併用する方法もあります。例えば月々2万円を積立てようとするなら安全資産である円建の学資保険や預貯金に1万円、積立投信に1万円という感じに分散して積立てていく方策です。

学資保険以外の方法が向いている人の特徴(3)「月々の収入に余裕のない人」

毎月の生活費がひっ迫しているような人は残念ながら学資積立をする余裕がないという事になるので、余裕が出るまでは現状維持をおすすめします。

学資保険はきちんと払い続けると、契約当初の約束通りに学資金を受取れるので安全な貯蓄ではあります。

でも万一、余裕が無くて途中解約となると払込保険料より解約金が少ない、いわゆる元本割れという結果になります。

学資保険は途中解約のリスクが大きくならないよう、ある程度余裕を持った保険設計も必要です。

学資保険以外の方法が向いている人の特徴(4) 「お子さんがある程度成長されている人」

学資保険は加入するタイミングが重要です。

例えば、中高一貫校にチャレンジしてみようと小学4年生で考え始めたとします。

このタイミングで中高一貫校の学資積立を学資保険で行おうとしても、積立期間が短すぎるので学資保険による積立は難しいと思われます。

大学の学費が目的で学資保険を考えるならまだ間に合いますが、お子さんの希望進路や家計の状況に応じて、学資保険をどうするのか考えることも必要です。

また、学資保険の加入可能年齢が未就学児までとなっている保険会社が多く、お子さんの年齢次第ではそもそも加入できない可能性があることも頭に入れておきましょう。

まとめ

学資保険の概要と学資保険が必要かどうか判断する方法をお伝えしました。

統計データを参考に、将来かかる学費の目安を把握することがまずは非常に重要です。

必要な学費、進学ルートがシミュレートできたら、学資金の積立てをどんな金融商品で行うか検討していきましょう。

満足できる学資保険へ加入するにはご自身の将来キャッシュフローも予め予測した上で、ファイナンシャルプランナー等の専門家から情報を収集すると、より良い選択に繋がります。

必ずしも学資保険に加入したほうが良いということではないですが、加入に際して年齢などの条件もありますので、加入有無の検討は早い方が良いかもしれません。

お子さんの将来に向けて、現在のあなたにとってベストな選択ができることを願います。

この記事を書いた人
三上 諒子

FPサテライト株式会社所属ファイナンシャルプランナー

大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。