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ハルオサンと借金玉の雨やどり人生相談室【第2弾】

蓄える楽しみと浪費との付き合い方

貯金ほど楽しいことはないと思ってる人間なんですが消費の快楽も馬鹿にならないじゃないですか。
そう思った時に出納のバランスをどう取るのが幸福への近道なのかわからないんです。

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はい、雨やどり人生相談やってまいりました。

本日の相談のトップバッターはいきなり根源的な質問で、大変難しいですが頑張ってお答えさせていただきます。

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かくいう僕ですが、人生で一度も「貯金」というものをしたことがありません。必要なお金を必要なだけ使って生きて来ました。かといって、「お金に困った」経験もあまりなく、月収6万円とか10万円とかの時期もそれなりに楽しんで来たなぁと思います。

「貯金の快感」というものを僕はきっと知らないのだろうな、それを知らないのは悔しいことだな、と思いましたのでこの質問を受けて僕も貯金というものを始めてみました。具体的に言いますと、部屋に巨大な貯金箱を据え付け、

  1. 1日の終わりに財布にあった500円玉
  2. 毎月2万円

の二つのルールで貯金をしております。

そして、やってみてわかったのですがこれはちょっと楽しいですね。2か月目なのですが、既に結構な金額が溜まっていて、このまま1年とか2年が経過した時を想像すると笑顔がこぼれてきます。

なるほど、貯金って楽しいんですね。初めて知りました。

さて、その一方で「お金を使う」快楽についてですが、これは二つに分けることができます。

「投資」の快楽「浪費」の快楽です。
投資というのは、将来自分のためになるもののためにお金を使うこと。卑近な例で言いますと「美味しいご飯を炊くために炊飯器を買う」とか「筋トレのためにジム代を払う」とかです。これはですね、すごく楽しいです。

貯金を始めてみて思ったのですが、貯金の快楽というのは筋トレの快楽に似ています。トレーニング終わりの筋肉の痛みで「よし、効いてる!」という気持ちよさ。そして日々太くなる腕や厚くなる胸を眺める楽しさ。「価値を蓄える」楽しさですね。

炊飯器も同様で、僕は玄米を食べて暮らしているのですが、これは炊飯器の差がかなりダイレクトに出ます。こないだ気合いを入れてちょっと良いのに買い換えたら「おお!旨い!」と声が出てしまいました。保温もいいですね、パサパサしなくて…。

そういうわけで、「貯金」に加えまして「投資」の楽しさを見ていくのが良いかと思います。貯金で蓄えられるのは「お金」だけです。「経験」や「能力」「機能」などは蓄えられません。

現在貯金に回しているお金の…そうですねまずは3割くらいを「投資」に回してみると、楽しさがすぐに理解出来ると思います。なにせ、本質は貯金と同じですから。筋肉とか、経験とか、スキルとか、快適さとかそういうものが蓄えられていくのは楽しいですよ。

さて、最後に「浪費」の楽しさについて。

浪費が楽しいか楽しくないか。パーっと酒を呑む、プワーっとギャンブルをする。これが楽しいか楽しくないかで言うと、楽しいに決まっています。

僕はそれほど多趣味な方ではないのですが、アクアリウムと読書が好きでして。神保町に出向いて、持ち切れなくなるほど本を買う時の楽しさといったら…。アクアリウムショップで、本質的には全然必要ない高級な水槽を思わず買っちゃう楽しさといったら…。

しかし、ここで一つ考えてみましょう。読書もアクアリウムも人生の役にダイレクトにたつとは言えません。たまに読書万能論者みたいな人もいますけど、ふつうの人の10倍は本を読んできた僕が言いますが、別に万能ではないです。アクアリウムに至っては、ペットショップにでも勤めない限りまず役に立たないでしょう。

しかし、この二つと「酒を呑む」「ギャンブルをする」にはささやかな違いがあります。それは「能動性」です。読書はそれなりに自分で選んで読み込んでいかないと楽しくなりません。アクアリウムも、実は結構難しい。オタクが喋り出すと長いので割愛しますが、金魚だって健康に飼い込むとなるとバクテリアから考える必要があるのです。

しかし、酒とバクチはそうではありません。座ったらピョっと出てきますし、パチンコは1,000円を入れてハンドルを回せばゲームが始まります。このエントリーコストの低さが非常に危ないのです。おまけにどちらも極めて強い依存性があります。

そういうわけで結論です。貯蓄5、投資4、浪費1。大体これくらいのバランスが良いのではないでしょうか。

ここで重要なのは浪費が1ということです。僕は貯蓄0、投資7くらいで生きて来ましたが、特に後悔はありません。いや、すいませんウソつきました。パチンコとお酒に嵌っていたことは後悔しています。

お金は大事です。しかし、投資をしないと人生は貧しくなってしまいます。この振り分けをしっかり考えてみると、人生が楽しくなると思います。

尚、「浪費」についてはある種の「祝祭」として考えましょう。パッと酒を呑んで焼肉を食う日だってあっていい。でも、それは月に1回までです。毎日がカーニバルではあっという間に財政破綻してしまう。

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豊かな人生をやっていきましょう。

【ハルオサンのささやき】

貯金って安心の塊ですよね。恥ずかしながら私が初めて貯金をしたのは30手前でした。労働マルチに騙されてフルタイムで働いて月収5万なんていう極貧生活も3年やりました。「つらかったか?」と聞かれれば「そりゃそうだ」ということなのですが・・・・

極貧時代を共に過ごした同僚たちは顔を合わせる度にこう言うのです。「今の生活は安定してるけど、あの頃のほうが生きてるって実感があって楽しかった」ってね。大切な貯金を崩すこともさぞ快楽でしょうが、もっと大きな快楽に興味はありませんか?

きっと彼に悪気はなくて

ADHDの方にちょっとした仕事を依頼するメールを送りました。1通目の返信は引き受けていただけそうなお返事でした。しばらくして2通目のメールを送り、その返信が来ませんでした。

自分のメールを見返して特に無礼な発言はしていませんでした。返信がこない理由が分からず、小さい仕事だから後回しにされ意図的に無視されたのか、それとも忙しくて見落とされたのか、どちらにしても再度メールしたほうがいいでしょうか?

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はい!!!!!!!!
今すぐ!もう一通!メールを!送ってあげてください!!!
本当に申し訳ございません。
思い当たるフシしかない昨今ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

「悪気はない」というのはこの世で一番悪しき言葉だと僕は思います。

悪気があるのとないならそれはもちろん、悪気がある方がいい。それなら理解可能ですし、ケンカにもなります。しかし、「悪気はない」と言われると振り上げた拳を落とすところもなく、本当に不愉快な気持ちになる。痛いほどわかります。

僕がメールを返せないことがある理由は、メールというものが非常に思考の中で負荷が重たいからです。僕の脳は常に何かに集中しています。これは、まるで犬が投げられた肉に向かうようなスピードです。そこに、「他の案件」の入り込む隙は基本的にはありません。

肉に向かって走っている時の僕にとって、横から声をかけられるのは本当に強い苦痛なのです。そして、一度立ち止まってメールを返信し始めるとさっきまで追いかけていた肉を忘れるというどうしようもない状況が発生します。

現在僕はタスク管理システムなどを工夫してこの問題と必死で向き合っておりますが、まだ完全解決には至っておりません。本当に申し訳なく、1年以内になんとかハックを産みだしてみなさんのご覧に入れたいと考えております。

そういうわけで、何卒再度メールをしてあげてください。ツイッターなどを利用している人であれば、DMなどもいい案です。あれはメールよりも返事を返す負荷が低いですので。

何卒、ご寛恕のほどを賜れれば幸いでございます。

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やっていきます。

【ハルオサンのささやき】

「あ、ちょうちょ!」

新しい社長のために

いつもツイートを楽しく、そして苦々しく拝見させていただいております。

今回ご相談させていただきたいのは、起業をするにあたりADHDっぽさを少しでも減らすためにコンサータなどの薬は飲んでおいた方がいいのか、といった内容です。

自分は新卒で入社した会社に全く馴染めず(借金玉さんがブログに書いていた失敗談のほとんどをやらかしました)、そのまま社長をしていた先輩の会社に転がり込みました。ちなみに先輩もADHDっぽさ満載です。

先輩の会社では運良くそこそこの首級を上げることができ、その実績を買われ先輩と知り合いの投資家から投資を受けて4月に自分の会社を作ることになりました。(先輩の会社の子会社的な立ち位置です)

そんなこんなで自分が社長になる上で不安なことは多々ありますが、一番怖いと考えていることは「ADHDらしさ」のせいで自分が大きなやらかしをする可能性があるのではないか、という点です。

また、借金玉さんが以前にブログでコンサータを飲んだらどうなるか、といったエントリーを記載されているのを拝見し、その中に『ADHDの欠点を減らしてくれるけど、ADHD的である自由な発想も減る』といった内容から、飲まない方が社長としてパフォーマンスを発揮できるかもしれない、とも考えております。

そこでご相談させていただきたいのは

  1. 社長業をやる上でADHD的な特性は薬などで抑えた方がいいのか
  2. もし、社長をする上で『ADHDならこれをやれ』などのTips

などございましたら、ご教授いただけますと幸いです。

ちなみに事業内容はメディア運営なので、ほとんどオフィスや喫茶店でのデスクワーク・たまに外出、といった仕事のスタイルになりそうです。

長々と書き連ねてきましたが、かき集めた2,000万円を携えて地獄にウォーッする自分に、一株の花を手向けていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

社長就任おめでとうございます!

社長業は本当に一人一人やり方が違うのですが、重視するのが何かによってコンサータを服用するかしないかを決めるのが良いと思います。やはり、ルーチンの事務ワークなどにコンサータは非常に便利です。帳簿をつけるとか、書類を作るとかの仕事をするときは僕もコンサータがあって本当によかったなぁ…と思います。

その一方「発想を出す」とか「社員に激を飛ばす」みたいな時。こういう時、コンサータは僕にとって結構邪魔です。

思考の螺旋みたいなものが小さくなるので、強いアイディアは出にくくなりますし、部下を鼓舞するような強烈な言い回しもやりにくくなります。また、部下を説教する時にコンサータもあまりよくなくて、非常にネチネチチマチマとした叱り方をしてしまいがちに僕はなります。

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でも、これはあくまで僕のことで、あなたがコンサータを飲んだ時にどんな効果が出るかは、正直飲んでみないとわかりません。ですから、社長業で身動きが取れなくなる前に受診して、コンサータを確保しておくのが手堅いのではないかな、と思います。

結局、飲んでみないとわかりませんからね。なお、発達障害の診断にはデメリットももちろんあります。その辺は社長力で上手に対応されてください。

2,000万でウォー!懐かしいですね。僕もかつてウォーしました。僕の戦いは無残な敗北に終わりましたが、それでも僕はあなたの勝利を心から祈っています

そして、もちろん勝てなかった時にはなりふり構わず生き残りましょう。起業家は生きていれば合格です。

やっていきましょう。

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僕もやっていきます。

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【ハルオサンのささやき】

私は発達障害の診断に行ったら「あなたは脳の病気がデカイからまずそっち検査しなさい」って言われて追い返されたことがあります。

借金玉さんには「発達障害っぽい」とよく言われるので、お薬とても興味あります。楽になれますかね。

そこはどこで、あなたは誰ですか?

質問の募集趣旨に合ってないかもしれませんがご容赦ください。

私は現在、大学院で研究室に所属し、博士後期課程なので一番上の先輩として毎日をやっております。後輩はみな優秀です。しかし1つ悩みがあります。

一番優秀な後輩1人が、いわゆるアスペ的な傾向があり、空気を読むということが苦手です。また、アスペといっていい性向なのかはわかりませんが行動が幼く、研究室内で誰かがやるべきだが誰もやりたがらない仕事(掃除、ゴミ出しetc…)を基本的にはやらないという状況があります。そして隣の席の人間はとても人が良く気が利くため、やってあげています。

しかし、やはりそれはとてもストレスなようです。また、例えば「掃除の仕方が間違っている」と教授から怒られるとなれば、基本的には「気か利く後輩」が怒られることになります。(「アスペ後輩」に、彼が怒られることについて何か感じ入ることはないか?と聞いたら、あいつ何時も怒られてますよねwと笑ってました。)

僕の目の届く範囲で何かがあったら僕から注意するのですが、常にそうとはいきませんし、このままだと「気が利く後輩」の「アスペ後輩」も潰れてしまうのではと心配です。なにか、案はないでしょうか。よろしくお願いいたします。

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その方がいわゆるASDなのかはわかりませんが、非常に困った状態ですね。というのも、優秀氏と隣人氏の二人であまり望ましくないバランスが成立してしまっています。隣人氏が限界を迎えるまで、そのバランスは続いてしまうでしょう。あなたの介入がなければ、ということになりますが。

そこはどこで、あなたは誰ですか?」という質問を、僕は人間関係に悩むASDの方にすることがよくあります。つまり、その場にふさわしい行動が出来ないということは、「そこがどこだかわかってない」「自分が誰だかわかっていない」という二つの問題に収斂するからです。優秀氏はこの二つが完全にわかっていないのだと思います。

しかし、「そこはどこで、あなたは誰ですか?」という質問に、質問者様自身が答えることが出来るでしょうか。意外とこれは考えていくと難しいところだと思います。僕に相談に来る方もこの質問一つに2~3時間悩みこむことがあります。

人は場にふさわしい行動をしなければならない。では、その場はどこで、人とは誰か。これを言語化して伝えることが出来れば、優秀氏が言語的に優秀であるのならば、ある程度良い影響を与えることが出来るのではないでしょうか。

是非、考えてみてください。まずは自分のことから。そこはどこで、あなたは誰で、どんな振る舞いが求められているのか。そして、それを優秀氏に伝えてあげてください。それと、隣人氏には感謝を伝え「少しずつ彼の行動を是正していくつもりだ」というケアをお忘れなく。

人間の社会的振る舞いというのはとても難しく、ツイッターでも日夜戦争が起きています。あなたが良き調停者であれることを心から祈っています。大変だと思いますが、やっていきましょう。会社の社長とかのメイン業務って大体これで、思い出すと吐き気が…。

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【ハルオサンのささやき】

私は若く管理職を任された頃「部下を全員集めて泣くまで怒り続けろ!」と上役から指示されたことがあります。問題を解決するとかそういうことは一切なく。とにかく「泣くまで」2時間、3時間と何時間でも怒り続けるわけです。

理不尽オブ理不尽なのですが・・・もしそれをやらないと、酒に酔った上司が下りてきて私と部下はベコベコに殴られます。そして会議室には常に包丁があります。時に上役は殴った後に包丁を出して「これで腹を刺せ」と脅すのです。(武士カヨ)
つまりみんなの精神を壊して従順にさせたかったんですね~

それに比べて質問者の方は大変立派じゃありませんか。後輩をよく観察して丁寧で適切な対応をしようとしてらっしゃる。なるほど人間だなぁと感心致しました。

あなたの選択を

公務員です。最近職場でTwitterをやめるようにとの圧力がかかっているのですが、どうすればいいでしょうか……。臨時収入がポップしそうな案件があっても、仕事柄アレがアレなので断念している状況です。

いまの仕事はとてもやりがいがあるので、仕事をやめるということはしたくないのですが、いい解決策はありませんか。同じ悩みを抱えている全国の公務員のみなさんに向けて、ぜひアドバイスをお願いいたします。匿名希望です。よろしくお願いします。

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人生というのは絶え間ない決断の繰り返しです。

選択肢は少なく、時間制限まである。その中で、選び取れるものは決して多くはありません。青識亜論さんに僕が正しい決断をお伝えします。

退職しましょう。

青識さんは知識も文章力も誠実さも執拗さも粘着性も高い大変素晴らしいネット論客だと常日頃思っているのですが、どこか迫力が足りない部分があります。それは、もしかすると「自分の人生にはこれしかない」という絞り込みではないでしょうか。背水の陣で戦うとき、人間の本当の力は目覚める。週刊少年ジャンプにも書いてあるこの世の真理です。

…と言い切りたいところなのですが、実を言えば収入のアテが文筆以外にもあるというのはメリットでもあります。結局、「カネのために書く」ということは「読まれなければ食えない」ということでもあり、人の反応を引き出すために過激化し先鋭化の果てに摩耗していった多くの書き手をご存知ではないでしょうか。

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僕自身も正直に言って、その恐怖は常につきまとっています。もっと耳目を引くことを書くべきなのではないか、もっと過激なことを書くべきなのではないか。そういう感覚がいつも背中を焼いています。

原稿一つにしても、商売人にとって何よりも重たいもの―お金―がかかっているわけですから。もしかしたら、炎上狙いで爆発を繰り返す人はクライアントへの誠実さの結果としてああなっていったのかもしれない。

少なくとも、そう考えることはできます。

どんな選択肢にも欠点はあります。どんな場所にも二律背反はあります。どんな決断にも後悔はついてきます。それでも、人は選べる場所で選べることをやるしかない。

そんなところではないでしょうか。個人的には青識さんは退職して文筆に専念したら面白いと思いますが、そうはしないというところから生まれて来る何かもあるかもしれません。

やれることをやっていきましょう。

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それしかありません。

【ハルオサンのささやき】

私も警察や特殊清掃やブラック企業やら色々やってきましたが、この物書きの世界は最悪です。こわいひとばかりです。やばいです。

青識さんは日本語が通じるという貴重なスキルをお持ちだと伺っておりますので、もし両足を踏み外して墜ちて来ることがありましたら、ぜひ仲良く遊んでください。

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この記事を書いた人

執筆者:借金玉
執筆者:借金玉

借金玉32歳です。
診断はADHDでコンサータ72ミリを服用しながらなんとか生きている発達障害者。ASDの傾向も多分にあり。大学卒業後、金融機関勤めを経て起業の後大コケしたというキャリアです。現在は雇われ営業マンをやったりブログを書いたりツイッターを書いたり文章を書いたりしています。よろしくお願いします。

ブログ:発達障害就労日誌
ツイッター:@syakkin_dama

作画:ハルオサン
作画:ハルオサン

ハルオサン 会社をクビになったのでヤケクソで書き始めたブログがこれ(警察官クビになってからブログ)です。結果、WEBや新聞や求人誌でコラムを書くようになりました。沖縄に移住して静かに隠居生活をしております。

ツイッター:@keikubi123